リモートワークの普及に伴い、日本企業の4割が導入し始めたと言われる1on1(ワンオンワン)ミーティング。
旧来型の「面談」をカッコよく言い換えただけじゃないの?
と思ったあなた。
ココだけの話…全然違いますよ(小声)
この記事を読めば、1on1ミーティングと面談の違いがわかるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。
面談と1on1ミーティングの違い

面談と1on1ミーティングは目的(ゴール)が異なります。
種 類 | 目的(ゴール) | 動 機 |
---|---|---|
面 談 | 相互理解 | 外発的動機(一方通行) |
1on1ミーティング | 個の力を引き出す | 内発的動機(双方向) |
面談は「相互理解」という話し合いであることに対して、1on1ミーティングは「個の力を引き出す」という部下の成長をサポートするものなのです。
単純に「面談」をカッコよく言い換えただけではないんですね~(;’∀’)
正しく1on1ミーティングを実施するためには、
日頃の信頼関係と、”何のため”という目的意識をはっきりさせることが重要です。
とはいえ、すべての上司が1on1を正しく理解している訳ではありません。
なので、1on1という名の面談を行ったところで、
- 「あまり効果を感じない」
- 「意味がない」
- 「面談との違いを感じない」
と思われてしまうのです。
では、どうすれば効果的な1on1ミーティングを行えるのか具体的な方法をご紹介します。
効果的な1on1ミーティングを実施するには

日本はトップダウン企業が多いため、1on1ミーティングは、上司が部下に対して行うものです。
これからご紹介する内容の主語は「上司」です。
- (上司が部下に対して)関心を持つ
- (上司が部下に対して)心理的安全性を感じさせる
- (上司が)時間を作り、ルーティン化させる
- (上司が)目的を明確にして、部下と共有する
- (上司が)振り返りを実施する
①関心を持つ
自分自身が1on1ミーティングを体験しないまま管理職になった場合、
まずは「旧来型の面談」との違いに関心を持ちましょう。
残念ながら「オレらの時代は、背中で語る時代だった」という考えは通用しません…。
②心理的安全性を感じさせる
部下が本音を言える環境・機会をつくりましょう。
まずは、上司であるあなたが自己開示をして、地道に時間をかけて信頼関係を構築していく必要があります。
心理的安全性についてエピソードを1つご紹介します。
好意の返報性
同僚に働きがいを聞いてみたいと思ったら、「お前の働きがいって何?」と、一方的に聞いても12%の人しか答えてくれません。
一方、先に「自分がどういう時に働きがいを感じたか」というストーリーを伝え、その上で「働きがいを感じたことある?」と聞くと78%の人が自分の働きがいを答えてくれます。
越川慎司著『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』より引用
③時間を作る(ルーティン化)
計画的に時間をつくり、ルーティン化しましょう。
ポイントは「短い時間(15~30分)で頻度は多く」です。
④目的を明確にする
1on1ミーティングを行う目的を明確にして、部下と共有しましょう。
“何のため”という目的が曖昧だと、ただの面談になってしまいます。
また、ミーティングの内容を記録することもお忘れなく。
⑤振り返りを実施する
あなた自身の言動を振り返りましょう。
振り返りは自身の成長にも不可欠です。
振り返る際は、ミーティングを録画・録音したデータを活用しましょう。
関連スキルを身につけよう

1on1ミーティングは、上司であるあなたがスキルアップしなくてはうまくいきません。
心理的安全性をつくり、心理的柔軟性を備えましょう。
1on1ミーティングに不可欠なスキルは、大きく分けて2種類あります。
- ティーチングスキルとコーチングスキル
- コミュニケーション力
①ティーチングとコーチングの違い
ティーチングはその名のとおり、「教える」ことです。
学校の先生が生徒に勉強を教えるイメージ。
コーチングとは、部下の自己実現のための思考と行動のサポートです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

②コミュニケーション力
コミュニケーション力は以下の3つに分解できます。
- 質問力
- 傾聴力
- プレゼンテーション力
(1)質問力
良い質問をしないと良い回答は得られません。
部下に質問する際は、クローズドクエスチョンよりも、オープンクエスチョンを使いましょう。
- クローズクエスチョンの例
- (上司)わかったか?
-
(部下)…はい。
部下は「はい」と「いいえ」しか選択肢がありません。
しかも、上司に対して心理的安全性が確保されていないと、「いいえ」とは言いづらいです。
- オープンクエスチョンの例
- (上司)このテーマについて、あなたはどう思う?
-
(部下)私は〇〇だと思います。
部下が感じたことを回答できます。
「いい質問とは何か?」については、以下の記事もご覧ください。

(2)傾聴力
傾聴力とは聴く忍耐力。
話すよりも聞く。
聞くよりも「聴く」です。
部下の思いや考えをじっくり聴きましょう。
何かの作業をしながらの「ながら聞き」はしてはいけませんよ。
(3)プレゼンテーション力
1on1ミーティングで大切なのは、部下が「何を言ったのか」ではなく、「どう感じるか」です。
あなたの立場ではなく、部下の立場で話すよう心がけましょう。
- 「これぐらいわかっているだろう…」という思い込みはNG
- 相手が理解していないことに気づく
- 知識レベル・理解レベル・納得レベルの察知
まとめ
今回は、1on1ミーティングと面談の違いについてご紹介しました。
よりよい1on1ミーティングとは、
- 部下が心理的安全性を感じている
- 上司が心理的柔軟性を備えている
状態です。
小手先のテクニックを鍛えるだけではなく、日頃の信頼関係と、”何のため”という目的意識をはっきりさせましょう。
もっと詳しく知りたいあなたへ
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
部下との信頼関係について、もっと詳しく知りたいあなたへ。
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